今回はヒアルロン酸とボトックスについてご説明します。
まずヒアルロン酸について。
ヒアルロン酸は皮膚(真皮)の重要な成分です。皮膚の強度はこのヒアルロン酸とコラーゲンで構成されています。例えて言うとコラーゲンが鉄筋でヒアルロン酸はセメントです。
シワは皮膚の陥凹であるのでこの部分にコラーゲンやヒアルロン酸を注入して持ち上げてくることでシワを目立たなくする治療です。コラーゲンも有効なのですがアレルギーを起こすことがあるので最近はもっぱらヒアルロン酸を利用しています。
代表的な治療部位は額、眉間、目尻、ほうれい線などです。
ごく細い針を使用して注入します。ご希望の方には麻酔のクリームを使用します。
直後は注射の刺激で多少の赤みがでますが翌日には消失します。また翌日よりお化粧可能です。
浅いシワならばこの方法で簡単に改善できるのでお試しください。
次にボトックスについて
ボトックス、正式にはボツリヌス毒素といいます。これはボツリヌス菌という細菌のもつ毒素です。
この物質には神経と筋肉の接合部位をブロックするという働きがあります。
もちろん注射した部分の筋肉にしか効かないように調整してあります。
当初は顔面の痙攣を止める際の治療方法として使われていましたが顔の表情ジワの改善に効果が認められ、最近はこの方面での使用が増えてきました。
特に効果が高いのは眉間、額、目尻、唇、口角、頸部、などです。
このほかマイクロインジェクションといって顔全体の小じわに効果を出したり、鼻の横ジワ、ガミースマイル、目立つ鼻の孔などにも応用できます。
さらに脇の汗を少なくする効果もあります。
このようにいろいろな効果のあるボトックスですが、経験のない医師ですと効果を出すべき筋肉に効果が出なかったり効果を出しすぎて結果に問題がでたりします。ボトックスの製造会社であるアラガン社が医師対象に講習会をひらいています。このような会で研修を積んだ医師のもとで受ければ安心です。
以上お読みいただきありがとうございました。
インフルエンザワクチン接種始めました。
季節の症状 秋~冬
今年もインフルエンザのワクチン接種が始まっていますのでご希望の方はお早めに予約をお願いします。
インフルエンザウイルスはA,B,Cの三つのタイプにわかれます。その中でも大きな流行を起こすのはA型のインフルエンザウイルスです。厚労省はその年に流行する可能性が高い3種類の株を決定して製薬会社はその決定のもとにその年のワクチンを製造します。病院ごとにワクチンの内容が変わることはありません。
ワクチン接種の対象年齢は生後6か月以上となっています。当院では小学生以上に限定させていただきます。接種回数は13歳未満は1回0.5mlを2回接種。13歳以上は1回0.5mlを1回接種をとなっています。これは十分な量の抗体を作るために必要な条件です。
ワクチン接種によって2週目から抗体が上昇してきてその効果は約5か月持続します。ただし特に抗体の量が多いのは3か月程度です。
よってワクチンの接種は12月の中旬までには終了している必要があるのです。
2回接種の場合は1か月の間隔を空けるのが効果的です。
妊娠中の女性については担当の産婦人科医とご相談ください。授乳期間の女性については接種可能です。
他のワクチン接種から日の浅いかた、感冒症状のある方、卵アレルギーを含めたアレルギー体質の方などは接種を見合わせることがあります。
接種後はその部位の発赤やかゆみがしばらく続くとこがありますが通常心配はありません。
ご予約の上ご来院ください。
虫刺されのお話
季節の症状 春~夏
今回は特にハチ刺されについて
スズメバチの行動はこれから盛んになってきます。
スズメバチに刺された場合は一回目はそれほど重症にはなりませんが2回目以降に刺された場合は
体内にできている抗体に反応してアナフィラキシーという重症なアレルギー反応をおこします。
具体的には血圧が低下して意識を失う。気道が狭くな呼吸困難の状態になるなどです。
病院ではアドレナリンの注射をします。もし山間部にいく場合はこの注射があると安全です。
なによりもハチの巣には近づかないことです。