アゼライン酸とにきび、酒さ

その他
更新日:2013/11/29
11月29日、金曜日、みなさんいかがお過ごしですか?
三鷹の皮膚科、はやしクリニック院長です。

本日はアゼライン酸について・・・

アゼライン酸をみなさんご存じですか?アゼライン酸は小麦、大麦、ライ麦などの穀物類に含まれる成分です。もともとは美白剤として開発されましたが現在は酒さやニキビに対して使われています。

ニキビに対しては毛包の角化を抑制して詰まりを抑え、皮脂の分泌を抑え、抗菌作用と色素沈着予防の効果があります。
アゼライン酸には催奇形性は認めていないので妊娠を希望している方にもおすすめです。

アゼライン酸のもう一つの効果は酒さ(いわゆる赤ら顔)にあります。
血管拡張型や膿疱型の酒さに対してレーザーや内服治療のほかにアゼライン酸の外用療法で効果が期待できます。

当院ではアゼライン酸配合のクリーム「AZAクリア」をお求めになれますのでご利用ください。

HIVについて

その他
更新日:2013/11/27
こんにちは。11月27日水曜日、三鷹の皮膚科、はやしクリニック院長のブログです。

今朝のニュースでHIV陽性の献血血液が患者に輸血されその患者がHIVに感染していたとの記事がありました。
これは善意の献血システムを根底から揺るがす事件です。
日本の献血システムは各種の感染の検査を行って陰性のものだけを輸血の材料にしています。このシステムによりB型肝炎やC型肝炎のウイルスなどを排除しています。このことにより以前多く発生した輸血後肝炎は激減しました。

献血に際しHIVに関してはウイルス抗体価を測っているのですが感染後の6から8週目の間はウイルスが増加するが抗体価は上昇しないのでこの時期に献血をすると検査にひっかからないのです。この時期をウィンドウ期といいます。
献血に際しては問診をして過去6か月以内に複数の異性と性的接触があったかとか同性との接触がなかったかを聞いているのですがこれに正直に答えないと今回のような問題がでてくるのです。
このように個人の良心にだけ頼るのは非常に危険なことです。
検査の感度を上げるか直接にウイルス量を測ることが重要になります。

善意の献血システムを守るためにも早急な対応が望まれます。

女性ホルモンと皮膚

その他
更新日:2013/11/19
三鷹の皮膚科、はやしクリニックです。

今回は「女性ホルモンと皮膚」という内容のお話をしたいと思います。

女性ホルモンとは大きく分けて卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲストロン)になります。このホルモンは女性の場合ほとんどは卵巣から分泌されています。

1、 エストロゲン
エストロゲンは皮膚の老化を抑え、表皮細胞の増殖を促し、それにより傷の治りを早める方向に働きます。また、日光に含まれる紫外線や、種々の酸化ストレスによって表皮細胞が自然死することをある程度抑えます。
色素細胞に対してはそのメラニン色素の生成を促進します。そのためにエストロゲンが高値になる妊娠中では色素沈着や肝斑の発生が増えます。
真皮においては繊維芽細胞に作用してコラーゲンや酸性ムコ多糖やヒアルロン酸などの水分保持にかかわる物質を増やします。こうして皮膚の厚みを増しうるおいを保持するのです。
また傷の治癒に関しては血管の再生や皮膚の再上皮化を促します。これらの作用により妊娠中にはクモ状血管腫などの症状が現れます。

2、 プロゲステロン
プロゲステロンは皮膚に付属している皮脂腺に作用して皮脂の分泌を促します。プロゲステロンは月経前に多く分泌されるのでこの時期には皮脂の分泌が亢進し毛穴に詰まりやすくなりニキビが悪化しやすくなります。
また真皮の繊維成分を増やす作用はエストロゲンと一緒です。


3、 その他アンドロゲンについて
アンドロゲンは男性ホルモンですが女性も副腎という器官から分泌されています。
アンドロゲンは皮脂腺の文化、皮脂の分泌、面皰(コメド、ニキビの赤くなっていない状態)の形成を促します。

以上、特にエストロゲンは皮膚の健康に特に大事であることがわかります。
更年期を迎えて急速にエストロゲンの分泌が減少するとさまざまな皮膚トラブルが起こるのです。女性の年齢に沿った皮膚のケアが重要になることが分かると思います。